公文書偽造及び横領刑事事件

 任期終了を目前に、最後に複雑で大きな事件が起きました。

 その事件は新しい隊員が私の援助先であった身障者施設へ赴任して、職場で同僚と喧嘩をしてしまったことから始まりました。男尊女卑かつ目上主義のタンザニアで女性隊員が年上の男性同僚に対して、物を投げつけたため、同僚が不審な行動に出たのです。職場とJICAで交わされる公式文書を盗み、集会を開いていたのでした。さらに悪いことに、それに腹を立てた同隊員が「盗み」と言う疑惑で警察へ届け、逮捕させたのでした。そのころから、(私は研修で自宅を留守にしていたのですが、)私の自宅に妙な二人組が来るようになりました。

 その後、在外事務所は、身障者施設の同僚の罪が軽いため、すぐ出所してくる可能性があるとして、報復を警戒し、同隊員をダルエスサラームヘ避難させました。やはり罪状は軽く、その施設職員はすぐに出所、すぐにまた、私の周辺に出現、近所では「私が殺害される」と言う噂まで出てきました。

 しばらくして、突然、刑事(警察はよく見かけますが、刑事がいることは、私もその時まで知りませんでした。知らない隊員も多いことでしょう。)が学校にやってきました。刑事事件へと発展し、犯罪事務所での事情聴取を受けました(もちろん日本でも事情聴取は経験したことありません)。

 事件の内容は、事件の引き金となった施設職員が、施設の資金(実際は、私が渡していた古着売買の売上金です。)を横領、さらに、JICAの文書を偽造、施設の代表になりすまそうとしていたようです。

 その資金横領の罪を私と本来の代表者になすりつけようとしたのでした。
 その後事件がどうなったかは知りません。在外事務所としても私を早く帰国させたがっていたため、任期終了に伴い、帰国となりました。

 この事件を通して、やはり、現地人とのもめ事は危険だと思いました。また、日本人の起こした事は、他人でも日本人に降りかかってくるのでしょう。そして、援助がらみで利害関係が絡むとトラブルが起きやすいのだと思います。