現地隊員レポート             「りる」第49号より 

                                                       チリ   T.I.
                                                             平成20年度3次隊
                                         環境教育
    

 

『チリ便り』

  チリより、こんにちは。
皆様、お元気でしょうか。
先日は「香川県青年海外協力隊を育てる会」からたくさんの品物を送っていただき、ありがとうございました。20年度3次隊の中で一番に荷物が届き、驚きました。送っていただいた四国のカレンダーは任地の同僚の方にとても喜んでいただきました。

Hospital San Jose にて

 チリの隊員は、1月8日に無事サンチアゴに到着し、そこから研修先の町のバルデビアに行く予定だったのですが、残念ながら予定変更となり、首都のサンチアゴで語学研修を受けることになりました。でもサンチアゴの学校はとてもいい学校で、先生方は皆親切で朗らかな人ばかりです。私たちの先生”ロミナ”は20代でまだ若いのですが、とても才能豊かでユーモアに溢れていて、私は毎日楽しく授業を受けていました。私たちは日本で2ヶ月の語学研修を受けていましたが、語彙が足らないのですぐ知らない単語に出くわします。そんな時、ロミナは私たちが分かるまで一つ一つ丁寧に説明するのが本当に上手でした。私は現職の英語の教師として参考にするところが多く、とても勉強になりました。

語学学校の教室

 語学研修中は教室で勉強することが多かったのですが、水曜日はチリの社会事情の勉強会もありました。難しいスペイン語に追いつけず、よく分からないところも多かったのですが、チリの経済問題や社会問題を知ることができました。特に環境問題は興味深く、大気や河川の汚染、ゴミ問題など様々な問題を解決する必要があることが分かりました。先生にお願いして、首都で唯一のリサイクルセンターを見学に行ったりもしました。毎週金曜日には街へ出て、街の人にインタビューする授業がありました。市役所や郵便局、病院、市場などいろいろな場所へ出かけて行き、街の人と話をしましたが、やはり話している内容がよく分からないことが多く、戸惑いました。

 授業時間は毎日9時から13時半までで、その後は自由だったのですが、首都のサンチアゴには何でもあり、買い物に行ったり、勉強のために(?)映画を見たりして、過ごしました。夜は隊員の皆で集まって、カレーパーティーをしたり、学校の先生と飲みに行ったりと、とても楽しい時間を過ごしました。特に、自分の誕生日にロミナがケーキを買ってきてくれて皆が誕生日のお祝いをしてくれたのが、何よりも嬉しかったです。

ロミナに誕生日のケーキをもらいました!

 チリは今や中進国で、首都は本当に都会です。高層ビルが立ち並び、地下鉄も整備され、バスはなんと24時間走っています!ケーブルテレビは外国の番組をたくさん放送しています。日本のアニメはかなり人気があり、”ドラゴンボール”や”クレヨンしんちゃん”は毎日見ました。”オタク”の若者もいて、かばんにアニメのバッジをたくさんつけていたり、キャラクターのTシャツを着ていたりしています。また、”スシ”レストランも多く見かけました。日本の文化の一部はチリにかなり浸透しています!

 チリの人は概しておとなしく、とてもよく働きます。賑やかなラテンアメリカのイメージとは少し違います。チリに来てまず驚いたのは、人にジロジロ見られることが少なかったことです。だいたい外国に行くと、見かけない外国人は見つめられることが多いのですが、サンチアゴではまったく感じませんでした。また、チリでは公共の場所はとても静かです。電車やバスでも大声で話す人はほとんどいません。騒がしいのは街を走る車の排気音くらいです。コンサートでも踊ったりせず、静かに座って音楽を楽しんでいる人が多かったように思います。いろいろな点でチリは日本に似てるなあと思いました。

プラシージャの市長と

 そして、2月12日には、プラシージャという首都から2時間ほど離れた町に赴任しました。ホームステイ先の”ヒメナ”はとても親切で気さくでかわいらしい女性です。ヒメナはいつも辛抱強く、私のつたないスペイン語を聞いてくれます。飼っている犬や猫もおとなしく人懐っこくとてもかわいいです。ヒメナはたくさんの友人、知人に私を紹介してくれ、皆気さくに私に話しかけてくれます。市役所主催の”市(マーケット)”では、町の来賓扱いになり、市長に最初の挨拶で大々的に紹介され、かなり恐縮しました。それだけ私の活動に対する期待が大きいので、責任重大だと感じています。チリに来て、とても親切な方に多く会い、これから2年間のチリ生活が本当に楽しみです。