ガーナ新参         「りる」第4号より

     ガーナ         K.Y.

                     平成5年1次隊

                     理数科教師

 

拝啓
 皆さんお元気ですか? 私は任地のタヴィエフェでの生活にもだいぶ慣れ、英語を使っての授業に四苦八苦しながらも元気に生活しております。度々四国新聞等をガーナにまで送って下さって非常に感謝しております。先日要請がありました体験談ですが、案内を受け取ったのが遅く、期日に間に合いそうもありませんので、またの機会にさせて頂きたいと思います。

 私は日本で言う理科Tを週18ピリオド(1ピリオド40分)ガーナでも田舎に相当す村の小さなSecondary Schoolで教えています。着任早々感じたことは私の英語力の貧しさと生徒の科学的、論理的思考力の弱さ(これはガーナ人生徒に共通します)によって、授業のレベルは低いです。

こちらの生徒は日本の生徒と違って計算力が圧倒的に不足しているので非常に教えにくいです。しかし彼らは理解していないなりにも勉強はよくします。日本の学校と違って教師の権威というものがこの国には存在するので、教師の実習経験しかない私が一人前の顔をして教えていても、物を頼んでも本当に”先生”として扱ってくれます。

今住んでいるタヴィエフェはボルタ州の州都「ホ」にきわめて近いので(車で15分位)買い物等には不便は感じません。電気、水道のないタヴィエフェと異なり「ホ」には両方ともあるので、4日に一度「ホ」で開かれるマーケット・デーの時に冷たい物(ビール、ジュース、アイスクリーム等)を飲み食いするのが非常に楽しみです。電気がないこと自体は全く不便を感じませんが、水をもっとふんだんに使いたいと思う時がたまにあります。

 

今は家から200m程離れた小川から生徒がバケツを頭の上に乗せて水を汲んで来てくれます。しかし生徒たちが自分の村に帰ってしまう休暇中になったら、いったい誰に水汲みを頼もうかと悩んでいます。(これはなかなかの重労働なのです。

日本人では頭上で物を運ぶのは無理のように思います。)ガーナに来て思うことは、もっと英語がすらすらと話せたら、ということです。ガーナ人からみれば、外国人は皆英語を話せて当然と思っています。日本人は英会話が劣るのに英語で書かれた文章を読めることが不思議みたいです。

と同時にここに来てコミュニケーション(特に言葉による)の重要性を感じています。日本人同士だと以心伝心で伝わることも相手に腹芸は通じませんし、難しい気のきいた言い回しを知りませんから英語で話すとどうしても率直な表現になったりします。

この地に来てまだ4ヶ月、様々なことを吸収して帰国しようと思います。またお便りします。 敬具

 


  ガーナの少女