現地隊員レポート         「りる」第39号より

                                                    モルディブ   T.T.
                                                             平成16年度3次隊
                                    
 写真                                                                

『モルディブ便り』
 アッサラーム アライクン(こんにちは)!!
 私はランガル(元気)ですよ。モルディブにやってきてから早くも七ヶ月が過ぎようとしています。

 モルディブの首都マーレは、ほんと不思議な島です。大きさは、わずか東西約2.5キロ南北約1.5キロの広さで、その中に全人口の四分の一の約八万四千人(現在はもっと増加していると思われる)が暮らしています。世界一小さな首都であり、人口過密都市です。


 一周ランニングして30分ほどの面積しかありませんが、その中にいろんなものが、ぎゅっと詰め込まれている感じです。地盤の問題から建物を高層できないみたいで、小さなビルばかり。まるで、おもちゃの国?の様です。大統領官邸、国会、省庁、軍、警察、総合病院、自然公園、モスク、遊園地、海浜公園、ナショナルスタジアム、テレビ局、ホテル、レストラン、ショッピングモールetc小さいですが、とりあえず必要なものは全部あります。そして海上から眺めると、海抜1、2メートルしかないので、海の上にビルやモスクが浮かんでいるように見えてかなり異様です。

 さらに車、タクシー、バイクが、めちゃめちゃ走っています。その中でも日本車は多いですね。日本でも最新のマーチやファンカーゴなんかが普通に走っていて、びっくりします。 タクシー代は、どこに行っても値段はいっしょで、15ルフィア(日本円で約150円)です。ルフィアから円に換算するには、だいたい一桁ゼロをつけるだけです。一ドルで12.75RF。こんな狭い中でタクシー乗る必要なんてないだろうと思っていましたが、意外と使ってしまいます。

 暑さもあるし、たくさんの人、車、バイクの間をすり抜けるように歩くので、とても時間もかかるし、疲れます。 何事も慣れとは恐ろしいものですね。マーレに行く前はこの狭さに耐えられるのかと心配しましたが、意外とそうは感じないです。
 そして私の行動範囲もどんどん狭くなっているようです。大分暑さに慣れましたが、紫外線が強い?のか、すぐに真っ黒になってしまいます。ビーチに裸でいるとすぐにまっかかです。寝転んで昼寝しようものなら大変危険ですね。

 マーレは、ほんとなんでもあります。
 スーパーマーケット、パソコンショップ、家電、本屋、CDショップ、カフェ、アイスクリームショップ、デリバリーピザ屋、釣り具屋、ケータイ屋。やはりクオリティーは全て日本にかないませんが・・・。


 みんなある程度所得水準も高く、すごい多機能携帯電話をもっていたりしてびっくりです。毎年すごい勢いで進歩しています。
 あとイスラム教国なので、豚肉とお酒は買えません。ほとんどのものを輸入に頼っているので、新鮮な野菜が不足しています。サラダが食べたい!!慢性的に野菜不足の日々です。あと肉類は冷凍もののみ。卵はロシアンルーレット。この暑さのなか長期間もつ訳ありません。生たまごかけご飯は日本に帰るまで我慢ですね。

 写真もかなり進んでいます。
 写真ショップでデジカメのデーターを簡単にプリントしてくれます。ショップもフジ、コダック、コニカ、アグファと揃っています。ポートレートスタジオもたくさんあります。仕事を始めるにあたって、いろいろモ人(モルディブ人の略)カメラマンに会って話をしましたが、イギリスやアメリカの写真学校帰りの人が多く、腕もいいし、機材も日本と同じものを使っています。デジカメの一眼レフも当たり前です。

 一般の人もコンパクトデシカメを持っている人がたくさんいます。ここ何年かで多くの若手カメラマンが増えている感じ。先日行ったスタジオは、コマーシャル専用スタジオでかなりびっくり。広告の需要も増えつつあります。街のあちこちに看板が増えてきていて、びっくりしたのは、巨大TVスクリーンの広告があることです。

 そうそう私の職場の説明をします。
Youth and Sports Development Center『略してYSDCといいます。簡単にいうと職業訓練学校。首都のマーレと一番南の赤道を超えた場所にあるアッドウ島に分校があります。現在、変革中で、将来的にはCollegeの役割を担うようです。モルディブにはUniversityはなく、一校、教員養成Collegeがあるのみ。高等教育の場が少なく、スリランカやインドの大学に行く人が多いみたいです。職場はセンター長を筆頭に各コース担当のコーディネーターや会計や事務員の人など合わせると15人くらい。オフィスは日本と変わらずクーラー完備、PCは一人一台あります。ちょっと違うのは、お祈りする部屋があること。

YSDCではさまざまなコースがあり、スキル系では、カウンセリング、コンピュータ、服飾、美容、絵画、写真など、スポーツ系では体育教師養成、フィットネスインストラクター養成、スイミングインストラクター養成などのコースがあります。その中の、写真コースのインストラクターを私が担当します。

 学校の中に写真コースの教室があって、5人同時に作業できるきれいな暗室もあり、スタジオ撮影実習ができる大型ストロボのセットもあります。カメラは、ニコンのマニュアルカメラFM10とクリップオンストロボと三脚のセットが5セットあり、10人の生徒達が2人でシェアしながら使っています。

所々壊れていたり、不備があったりしますが、銀塩カメラの勉強にはまあまあ十分な機材が揃っています。しかし現在、デジタルカメラが主流になりつつあるのは、ここモルディブもいっしょです。YSDCとしても需要に応えるため、デジカメ一眼レフのセツトを購入する気になっていています。モルディブでデジカメ一眼を手に入れるのは大変で、一番近くてシンガポールから入手するしかありません。そして、日本で購入するよりはか高い。いっそ日本に帰って購入してきたいほどです。デジカメやノートパソコンや家電などは断然日本の方が安いですね。

驚いたのは、キャノンとHPのショップがあってプリンターなどは簡単に手に入ります。日本でプリンターのインクを、買い込んで持ってきたのが、笑い話ですね。
今年は、Certificate U in Photographyという初級、中級コースを網羅した半年コースが八月から始まりました。カウンターパートナ一のヤシーン・ハミードさんと協力しながら授業をやっています。

ヤシーンさんは、ポートレイトスタジオを経営していてかなり繁盛しています。スタジオはスタッフカメラマン5人かかえ、かなり大きなものです。
 そうそうモルディブ人は写真好きです。子供の写真や家族写真を撮ってもらうのが大好きですね。ちょっと日本と似ているなあと思いました。


 日常生活ですが、マーレはピンキリの食生活を送ることができます。高級店か大衆食堂まで。大衆食堂のことをホタといいます。街のあちこちにはホタがたくさんあります。ホタには男ばかりです。こっちの習慣なのですが、サーボーンといってよくお茶を飲みに行きます。とっても甘い紅茶(カルサ)とヘディカ(茶菓子)を食べます。ヘディカはいろんな種類があって、カレー風味の具を包んで揚げたものや日本のどら焼きみたいなものやプリンやケーキやら店によって品揃えが違います。

 オフィスの者もよくサーボーンに出かけていきます。わたしも朝食はサーボーンにいってマスフニ(ツナとココナツとを混ぜたもの)をロシ(クレープを厚くして焼いたもの)で包んで食べています。語学研修中はホームステイだったので、毎日毎日マスリハ(魚カレー)の日々でした。現在は、ほとんど自炊しています。

 現在は部屋を借りて住んでいますが、部屋代はほんと高いですね。ワンルームで、日本円で約6、7万円します。東京の家賃並みですね。住居費などは職場が払います。住居探しは、ほんとに大変です。私の部屋も先輩隊員から引き継ぎました。明らかにマーレは人が住み過ぎです。ホームステイで実感しました。一般家庭はぎゅうぎゅうで寝ています。部屋不足を解消するため住居をどんどん高層化しています。政府もマーレがパンクする危機?から回避するため、マーレの隣の島(フルマーレと呼んでいます)を整備して移住を促していますが、教育施設や病院などがまだまだマーレのほうがいいのでうまくいっていません。


 休みは金曜日と土曜日が、オフィシャルな休日です。
 モルディブはイスラム教国なので、金曜日から休みになっています。だいぶ慣れましたが、日曜日に働くのはなんだかおかしな感じです。1日5回のお祈りがあり、そのお祈りの時間は、お店がしまってしまいます。いまだこの感覚に慣れていません。せっかくお店にいっても閉まっていることがしょっちゅうです。

 お酒は、マーレの目の前にあるフルレという空港島に行くとバーがあって生ビールが飲めます。カクテルもウィスキーもなんでもあります。ドー二という船にのって10分くらいで行けます。
 暑いのでやっぱりたまにはビールが飲みたくなります。しかし、モ人に間違っても飲みに行こうとはいえないです。代わりにヒガダーン(レッツゴー)サーボーンですね。

 マーレは、ほんと人だらけですが、地方島に行くとのんびりした空気を味わうことができます。本当のモルディブはマーレでもリゾートでもなく、たくさんの地方島にあると思います。研修のプログラムに地方島ホームステイもあり、ワーブ アトールのラキドゥー島に行きました。ロンチュ(スピードボート)で1時間。帰りはドーニで帰りましたが、5時間もかかりました。ドー二はほんとゆっくりしか進みません。のんびりゆっくりです。海は、ありえないくらいきれいです。ほんと透明度はすごーい。

 まっ白い砂浜に座って海を見ていると時間が止まったような錯覚を受けます。夕日も最高です。星もたくさんたくさん見えます。
 釣りもしましたが、ほんとすぐ釣れます。ルアーで簡単に釣れます。一度ボートから釣りをしていたら、ものすごい大物がかかったのですが、リールの調整をしっかりしてなかったので一瞬でラインを切られてしまいました。海がきれいなので逃げて行く魚を見ることができました。しかも大物。ほんと惜しいことしました。満天の星空の下、釣りをするのが夢でしたが、簡単にかなってしまいました。


 先日、一週間ほどマーレを離れて北にあるシャビアニ アトール(環礁)のコマンドゥー島に行ってきました。モルディブは全部で26のアトール(環礁)に分かれていて、環礁のひとつひとつが日本でいう都道府県にあたり北から南まで約1190の島があります。リゾート島は全部で87あり1つの島で1リゾートとなっているので、島がリゾートの名前で呼ばれています。

 ユニセフとモルディブの教育省のプロジェクトにカメラマンとして参加させてもらいました。
 プレスクール(幼稚園)で津波の被害にあった場所に施設の復旧および改良そして教育の改善を行うワークショップです。津波の被害は島によりますが、コマンドゥーはひどいほうですね。津波が打ち寄せた側はかなり破壊されています。

 子供たちのお父さんお母さんに手伝ってもらって、鉄棒やブランコやテーブル作ったり、教室のペンキ塗ったり、砂場作ったり、隣島にヤシの木を切り出しにいったりしてきました。島民と共に活動してたいへん有意義でした。

できるだけ地方島に行って、いい写真を撮っていきたいと思っています。
次号は私の活動の報告や地方島の紹介をしますね。