隊員レポート                 「りる」第33号より 

                                                    セネガル  K.H.
                                                             平成13年度2次隊
                                         臨床検査技師
    

 私のセネガルでの生活

 今、セネガルに来て早一年半が過ぎようとしています。
 今では生活に慣れ、いつセネガルに来たのか、ここがアフリカであること、私は日本人であり現地人ではないことなどを忘れてしまうことが多いです。今までいろいろなことがあり、一時期は本当にセネガルが嫌になったことがありました。しかし今はセネガルが好きであり、日本に薄れつつある素朴な人情味を思い起こさせてくれる貴重な国だと思います。

  現地の人に教わった「コラ」という楽器に魅せられる(りる34号)

 私の活動先はカオラック州立病院(360床の大きな総合病院)です。そこの検査室で検査を通し活動を行っています。最近では病院だけではなく村の診療所においても、自費で購入した機材を持ち込み便寄生虫検査、尿沈査などの検査を行っています。

 私の専門は細菌、寄生虫、一般検査です。いずれも公衆衛生環境の良くない発展途上国においては細菌・寄生虫などによる感染症が日本よりはるかに多くより大事な検査です。

 それらの検査は私と現地人の同僚の2人で担当することになりました。同僚はまだ臨床検査技師の学校を出てから長くなく、経験、知識に不足しており十分な検査ができていなかった。しかし彼には学びたいというやる気があり、私と共に検査を行い共に技術改善を行ってきました。

日々の日常業務のなかで、先ず私が始めに新しい検査方法を行って見せてそれを同僚が行うというふうに行いました。病院に来た当初、まだ言葉も全くわからず、病院の組織や同僚達のことも分からず不安のなか、かなり緊張をしながら検査を行っていました。苦しんでいる患者さんの助けになりたいといった協力隊に参加した動機から、より良い検査を行おうと、しばしば夜の9時過ぎまで同僚と共に検査を行っていました。

 しかし同僚との意見の食い違いから口論になり、お互いにかなり苦しい思いをしたこともよくありました。今では同僚のがんばりにも助けられ、当初と比べるとかなり検査レベルは良くなったと言えます。実際に、治療を行っている臨床のドクターが私達の担当している検査が良くなったと言ってくれていました。今は同僚が以前と比べるとより良い検査を行っているのを見て、よく学んだものだと嬉しくなります。

 現在は病院での活動も一段落つき村での検査を通しての活動も行っています竈これまで町で活動を行ってきて、今回村で活動を行うようになり、町とは違ったセネガルの生活を知ることができ感動しています。特に村人のおおらかさや、外部の人をよく持て成してくれる寛大さやあたたかさに触れたように思います。

 今後病院では更に検査技術の向上、村では検査を通して公衆衛生的な啓蒙活動を行っていきたいと思っています。

 また活動以外に趣味として、アフリカの伝統的な弦楽器KOLAを習い弾いています。とても美しい音がします。協力隊員のパーティーなどで場を少し盛り上げるために弾いたりしています。

 残り任期半年、まだまだやりたいことが多く気があせりますが、できることをこつこつと頑張っていきたいと思います。