現地隊員レポート    「りる」第43号より

                                                    セネガル   K.Y.
                                                             平成18年度1次隊後期
                                    
青少年活動                                                                


バオバブ通信』

何語、話っしょん?
海、あるん?

 先日、子どもたちに日本についての質問を促したところ、こんな素朴な疑問を投げかけてくれました。思えば遠くへ来たものです。

現在、ホゲとルイという2村の学校で情操教育の普及と学校給食のフォローを行っています。言葉の壁、気候の厳しさがあるものの、子どもたちと楽しい時間が共有できるようにと、あの手この手で悪戦苦闘の日々です。また最近、学校で使用されていないメジャーと体重計を目にし、それを使って近々、児童の身体測定を実施する予定です。
 ホゲの5・6年生 みんなカメラに大はしゃぎ

イスラム教
 ここは国民の約92%がイスラム教。ラマダン、コリテ、タバスキ、タマハリ、マッガル・トウーバ。宗教のお祭り(行事)をすでにこれだけ体験しました。「お祭り」と一口に言っても、そこは文化の違う国。みこしや出店があるわけでもなく、普段よりもきれいに着飾り、唯一の神、アッラーに祈りを棒げる等、慣習に従ってその日を過ごします。

ウォルフ語
 公用語はフランス語(以下、仏語)ですが、実際に使用している言語はウォルフ語です。赴任前、訓練所で初めての仏語を駆け足で詰め込み、ここではホームステイをしながら1ヶ月間のウォルフ語学習。「私は学校勤務だから、2年後は仏語がペラペラだもんね。」と、楽しみにしていたのもつかの間、授業以外は教員同士の会話も、子どもも、村人も、友達も、あなたも私も、み〜んなウォルフ語!外から入ってきた言語(仏語)よりも、自分の言葉(ウォルフ語)がいいのは当然と言えば、当然ですよね。

マガット・スマーレ
 ホームステイ時代の家族に名付けられたセネガル名が“マガット・スマーレ"。初めのうちは「思いっきり和顔の私にカタカナ名!それに、親からつけてもらった名前があるのに。」と抵抗があったものの、最近では同名のセネガル人を見つけるとうれしくて普段より多めに握手をしています。ここの命名法は、だれかの名前にちなんでつけるので親族内で同姓同名がいることもしばしば。また、だいたいの名前には意味があります。例えばプティ(小さい)、アワ(第一婦人)、モール(死)、デンブ(昨日)等。ちなみにマガットは「高齢者」・・・。

母と弟
 自宅から徒歩5分のところに任地(リンゲール)の家族の家があり、昼食か夕食を一緒にとるようにしています。ヤーイ(ウォルフ語で母の意)は道端で布や衣服を売る仕事をしています。木陰にゴザを敷き、友達と世間話に夢中になったり、時に寝そべったりしながら一日を過ごします。弟のアメッドは小学生。彼はヤーイの代わりに店番もできるしっかり者です。私も時々、一緒にゴザに座って、その辺にたむろしているヤギやロバ等を横目に道行く人と挨拶を交わします。
  ヤーイのお店の前 左がアメッド 

*バオバブ:セネガル全土に自生している木。童話「星の王子様」にも登場している。