飽くまで自然流トンガ人      「りる」第12号より

     トンガ            I.S.

                     平成7年2次隊

                     電話線路

 

 日本を立って早や半年が過ぎ、こちらでの協力隊員としての活動もそろそろ本格的なものになろうかとしているところです。生活にも慣れトンガ人と言うのは○○○と定義付け的な事も自分なりに出来る様になりました。私の場合は首都に滞在しているため生活のリズムはあまり日本と変わらない様に思いますが、たまに離島の隊員に会うと彼等は話すペースがゆっくり過ぎて「のんびりした離島で暮らすとこんなになるんだ。」と思ってしまいます。と言っても私も今、日本に帰ったらどうなる事やら・・・。

 私は電話の設備関係の仕事をしていますが、とにかく設備が悪い、古いときています。地道にコツコツ改善して行くしかないだろうと思っています。いろんな国(オーストラリア、ニュージーランド、時にはアメリカ)の材料を使用しているので統一性がなく「なんでこうなんだ」と思ってしまいます。それも私が恵まれ過ぎた日本人だからそう思うのでしょう。電話の線も家まで地下に埋めている時もあれば日本の一般家庭の様に電柱から家に線を張っている事もあり、本当にまちまちです。

 

  スタッフとマンホール内のケーブルの接続作業



トンガ人はもともとおおらか、悪く言うといいかげんなため仕事もいいかげんな仕事をする人が目に付きます。故障修理に行っても日本で言う「仮修理」でしかありません。仕事でガスバーナーが必要な時、持っていなかったら小枝を拾って来てマッチで火をおこし、それをバーナーの代用品にしてしまいます。生活力があると言うべきか時にはあきれてしまいます。

彼等は日本人の様に一日三食きちんと食べる習慣が定着していないので昼食も昼休みもとらず、ずっと仕事をする事がよくあります。日本人の私にはかなりきつく感じてしまいます。「ここは南国の楽園なんだろ?なんでそうなんだ」と思ってしまいます。たまに昼時に仕事をしていると、その家の人が食事を出してくれる時がありますが、洗ってもいない手で掴(つか)んで食べるので「これで腹痛をおこさなければいいんだが・・・、」と思いながら食べています。

 トンガ人の食べ物は正直いっておいしいとは思いません。料理の種類が限られています。イモ類を茄(ゆ)でるか蒸すか、それが主食です。おかずはニュージーランドから輸入されている安い羊の肉をこれまた茄でた物、これは食塩を振り掛けて食べます。それに比べれば日本の食事のバラエティーに富んでいる事か。もう夢の世界です。

 

  スタッフと作業現場で



 トンガ人には、仕事の事で頼み事をしてもよく忘れられたりします。(本当は忘れたふりをしているのかも?)約束事も半分くらいはすっぽかされます。始業時間を30分も過ぎて出勤し、平気な顔をしています。かと思えば8時半にはもう自分が使用する車を洗車していたりもします。彼等をじっくりと観察していると、殆(ほとん)ど同じ型に入っている日本人が本当の姿なのか?と考えさせられてしまいます。自然の中で生まれ育って時間をあまり気にせず生活する事の方がよっぽど人間らしいのではと思ってしまいます。

 なんだかんだと言っても「アッ」と言う間に半年が経ってしまいました。あと1年半、今は自分がこの国でしようとしているプロジェクトに集中出来る時期でもあると感じています。

  首都(ヌクアロファ)の中心地