現地隊員レポート         「りる」第43号より

                                                    ボリビア   K. M.
                                                             平成18年度1次隊前期
                                    
 小学校教諭                                                                

 『ボリビア便りT』

 映画「明日に向って撃て!」をご存知でしょうか。
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードがブッチ・キャシディとサンダンス・キッドという実在の強盗を演じています。2人はアメリカの西部で銀行強盗や列車強盗を繰り返し、名を馳せていたのですが、名うての保安官たちに追われ、新天地を求め南米に逃げていきます。そして各地で銀行強盗を繰り返しますが、最期を迎えるのがボリビアなのです。ラストシーンの舞台となるのはサン・ビセンテという小さな町で、そこに2人の墓があります。


 サン・ビセンテは、ラパスからバスで15時間ほどのトゥピサという町から、さらに車で3時間の所にあり、標高4500mです。鉱山の町で、2人のことを示すものは町の入り口の看板、墓、小さな博物館くらいです。

人口は約1500人。鉱山で働く人とその家族が住んでおり、観光地という感じではありません。2人の墓は地元の人の墓地にあり、訪れた時には鍵がかかっていて墓前までいくことは出来ませんでした。また、その日はボリビアのカルナバルが続いていて、町の人々はみなお祭り騒ぎで博物館を開けてほしいといえる状況ではありませんでした。

山奥の小さな町でもカルナバルの時は仕事が休みで、みんな少しだけおめかしをして朝から酒を飲み、音楽に合わせ踊る姿を見ることができました。鉱山の仕事で使う重機や車にも飾りが施されていました。良い雰囲気の町でしたが、これが普通の仕事の時だったならば、真剣で荒々しいものを感じていたのかもしれません。


町の人と話をすると、大人は自分の仕事について熱く語り、子どもは鉱山で使ういろんな道具を詳しく説明してくれ、みなこの町に誇りを持っていることを強く感じました。

 サン・ビセンテまでの道は大きな山をいくつも越えていく悪路です。川なのか道なのかわからない所を走り、風景は低い木々、乾いた土、サボテンがえんえんと続くのですが、ときおり川のほとりに緑が現れ、リャマの群れがのんびりしている光景が見られます。

通り過ぎる圧倒的な自然を眺めていると、ブッチとサンタンスはよくもまあこんな所まで逃げていったものだなあ、と感心するくらいです。そして、この風景は2人がいた当時とそんなに変わっていないのだろうなあ、ということも感じつつ。そんなことを考えながら、ラストシーンを思い出すと涙がでてきそうになりました。

 サン・ビセンテを訪れることは簡単ではありませんが、近くには鉱山の町・ポトシやウユニ塩湖、ワインのおいしいタリハなどボリビアでは有名な観光地があります。もしこれらの地を訪れることがあれば、この近くにブッチとサンタンスもいたんだなあ、ということを思い出してほしいものです。


 最後に、香川県青年海外協力隊を育てる会の皆様、いつも温かいご支援ありがとうございます。遠く離れたラパスで地元・香川を感じることができます。次回は自分の活動について報告できればと思います。